2026年1月 5日会員向け
新年会長あいさつ『躍 動』
謹んで新春のご挨拶を申しあげます。能登半島地震と奥能登豪雨による被災地の復興を心よりお祈りいたします。
2025年は、戦後80年の歴史の節目として諸問題の解決が期待されましたが、中東や欧州などの地政学リスクは残り、米国による関税政策が世界経済を翻弄し、排外主義や複雑性が増した年となりました。しかし不確実性はやや緩和され、現時点で高関税下でも当初懸念された貿易失速や景気後退はなく、米国経済は底堅く推移しています。今後は価格転嫁や雇用情勢による影響や地政学的緊張の高まりなど未だ海外経済リスクは不透明といえます。
日本経済は、高市内閣による補正予算が18.3兆円で成立し、2026年はこの経済政策の成否がカギを握るといわれます。日銀短観では、世界的なAI関連需要も追い風となり大企業・製造業の景況感が小幅に改善する見通しで、7-9月でマイナスとなったGDPも持ち直し、緩やかな回復が予想されていますが、今後の日米の金利政策によって為替変動を注視していく必要があると思われます。
本県鉄工機電業界は、依然として原材料やエネルギー費の高騰に加え、人件費のコスト高など懸念材料が多く、特に人手不足は、日本の全産業における構造的課題として深刻化しており、協会DI調査では「受注不安定」とともに「人材不足」が企業経営上の悩みとなっております。昨年4月の採用実績は3年連続で充足率が7割を切っていることはご承知の通りです。
我々ものづくり業界では「現場が人を育てる」が先人からの共通認識ですが、AIやロボティクスの活用、DX(デジタル変革)などを通して自動化・省人化による時代の変化に対応する適応力も求められています。先行き不透明な社会だからこそ柔軟な対応が勝ち筋であり、私たち経営者は、グローバル競争時代において経産省が推進するCX(コーポレート変革)の旗振り役として、強い産業基盤を構築していかねばなりません。
政府には、昨年11月の「地域未来戦略本部」設置を通して、地方で世界をリードする先端技術やビジネス創出を目指す地方創生の実現に向けた力強い経済政策の実行を、また県には、「石川県成長戦略」の推進を通して、県内の基幹産業として中堅・中小企業の発展に向けた一層の支援を要望していきます。
当協会といたしましても、人材育成・確保の支援や、自動化・省力化による生産性向上の取り組み支援、MEX金沢2026の開催など、各種事業に積極的に取り組み、会員各位が抱える諸問題解決に向けて速やかに対応してまいります。地域経済発展の原動力となるべく、会員一同が切磋琢磨し、業界が躍動する年を目指して行く所存でございます。引き続き皆様方のお力添えをお願い申しあげますと共に、各位のご健勝を祈念し新年を迎えてのご挨拶といたします。